学校案内 社会福祉法人太陽会 理事長挨拶
少子高齢化と人口減少が加速する中、看護・介護人材の不足は、今や日本の地域社会が直面する最も深刻な存立危機といえます。ICTやAIの技術革新により労働市場は大きな転換期にありますが、医療・福祉分野の需要は依然として増大し続けています。しかし、現実には出生数が過去最少を更新し続け、若者の都市部への流出も止まりません。
ここ安房地域においても、85歳以上の超高齢人口が15歳未満の若年人口を超え、医療・介護の需要が急増する一方で、その担い手が減少し続けている状態です。この現実に立ち向かい、専門人材を養成し続けることは、まさに地域の生命線を守ることに他なりません。
国家の根幹は、国民への「安心・安全」の提供です。その中核である社会保障制度のうち、医療や介護といった「現物給付」の仕組みは、十分なサービス供給、つまり「人」の存在が前提です。専門的な知識と技術を持つ人材が枯渇すれば、制度は即座に破綻します。そして一度失われた教育基盤を再構築するには、膨大な歳月と資金を要します。
太陽会はこうした危機を見据え、2014年の看護師養成校開学に続き、2年前に安房医療福祉専門学校南房総校を設立いたしました。南房総校では学生の8割以上が外国籍です。日本人学生の確保が厳しさを増す今、海外からの志ある人材は、もはや「補助」ではなく、日本の医療福祉を支える「不可欠なパートナー」です。
今後は看護師養成においても、外国人教育の拡充が急務となるでしょう。高度な日本語教育はもちろん、言語の壁を越えて国家試験を突破させる教育ノウハウの確立、そして何より、多様なルーツを持つ学生たちが安心して暮らせる「共生の風土」づくりを急がねばなりません。
日本が平和で豊かな国であり続けるための最優先課題は、人口問題への抜本的な対策です。国もようやく外国人受け入れの規制緩和へと舵を切り始めましたが、真に重要なのは、彼らを「労働力」としてのみ見るのではなく、日本人と同様に教育し、共に生きる隣人として迎える土壌を育むことです。
太陽会は、国の動きを待つのではなく、自らが時代の先駆者として、この困難な課題に挑戦し続けます。今年度も、地域の未来を切り拓く教育と研鑽に邁進してまいる所存です。
社会福祉法人太陽会 理事長
